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🧐kintoneを導入したばかりのとき、あなたはどんなアプリを作ろうとしましたか?
「せっかく導入するのだから、ちゃんとしたものを作りたい」「現場で使ってもらえるよう、しっかり作り込んでから展開したい」——そう考えるのは、ある意味で当然のことです。
でも実は、この”ちゃんと作ろう”という意識が、kintone活用の最初のつまずきになってしまうことがあります。
今回は、kintone導入初期に陥りやすい「完璧主義の罠」と、そこから抜け出すための考え方についてお話しします。
本コラムは動画と連動しています。目次8. 📺 動画でチェック!から動画に飛べますので、ぜひチェックしてみてください。
🙅♀️初手で失敗する会社の共通点
kintoneの活用支援をしていると、「導入したけどうまく使えていない」というご相談をいただくことがあります。その背景を聞いていくと、ある共通したパターンが見えてきます。
それが、最初から高い完成度を求めすぎることです。
たとえばこんなケースがあります。
- 承認ルートや例外処理を完璧に再現しようとした
- 既存のExcelやシステムと同じ見た目・操作感を目指した
- 誰からも文句が出ないよう、全員の意見を取り入れようとした
どれも「真面目に取り組んでいる」証拠ではあります。ところが、要件の整理に時間がかかりすぎて着手できない、作り込みすぎて誰も使わない、修正依頼が続いてキリがない——といった状況に陥り、気づいたらkintoneがほとんど活用されていない、という結果になりがちです。
完璧を目指すこと自体は悪くありません。ただ、最初からそれを目指すのは、ノーコードツールの活かし方としてもったいないのです。
🫵「完全じゃなくてもいい」——ノーコードの本領はここにある
kintoneのようなノーコードツールの最大の特徴は、作りながら変えられることです。

従来の業務システム開発では、要件を固めて、設計して、開発して、テストして、リリースする——というウォーターフォール型のプロセスが一般的でした。このやり方では、リリース後に「やっぱりここを変えたい」となっても、変更には多くのコストと時間がかかります。だからこそ、最初に要件を完璧に固めようとするわけです。
ところがkintoneは違います。フィールドを追加するのも、表示条件を変えるのも、画面を修正するのも、ほとんどノーコードで数分でできます。「とりあえず使ってみて、不便を感じたら直す」というサイクルを、低コストで回せるのがkintoneの真骨頂です。

実はこの考え方は、サイボウズが公式に提供するkintone活用のガイドライン「kintone SIGNPOST」でも、コアパターンのひとつとして明確に言語化されています。
0-02「素早く繰り返す」というパターンで、「計画を立てて従う方法から、素早く実行して改善を繰り返す方法へ」と表現されています。kintone活用の経験者たちが口を揃えて重要だと語る考え方が、まさにこれです。
であれば、最初のアプリは「完璧なもの」でなくて構いません。むしろ、現場で実際に使われ、フィードバックをもらえるアプリのほうが、ずっと価値があります。
完璧なアプリが紙の上でできあがったとしても、誰にも使われなければ意味がありません。少し荒削りでも、現場の人が「これ便利だな」と感じて使い続けてくれるアプリこそ、kintone活用の第一歩として正解です。
✅最初に作るなら、この3種類から始めよう
「じゃあ何から作ればいいの?」という疑問にもお答えしましょう。
kintone導入初期に取り組みやすいのは、大きく次の3種類のアプリです。
- 申請・承認系 —経費申請、備品申請、休暇申請など。
紙やメールとの違いが誰の目にも明らかなので、リリース直後から「便利になった」という反応が得やすく、社内への浸透スピードが早いのが特徴です。承認フローも基本的な設定で対応できるため、作り込みすぎる心配もありません。
- 台帳・管理系 —顧客台帳、備品管理、契約管理など。
「今Excelでやっていることをkintoneに移す」というイメージが持ちやすく、要件の整理に迷いにくいため、最初の一歩として向いています。複数人での同時編集・検索・絞り込みが使えるようになるだけで、現場の反応は大きく変わります。
- チェックリスト・報告系 —日報、点検記録、作業報告など。
スマートフォンからその場で入力できるようになることの感動が一番伝わりやすいジャンルです。紙を持ち歩いてあとでExcelに転記していた業務が一工程になるだけで、現場からの評価が高くなりやすく、継続利用につながりやすいという特徴があります。
これらに共通するのは、現状の業務を「置き換える」だけで完結できるという点です。新しい業務フローを設計したり、複雑な連携を考えたりする必要がなく、まず動くものを作ってフィードバックをもらうことができます。
🔍「最初から完璧には作れない」—現場の声が証明する
実際にkintoneとgusuku Customineで業務改善を進めた企業の担当者たちも、口を揃えて同じことを語っています。
介護・海運事業を手掛ける明海グループ株式会社では、稟議アプリをリリースした後についてこう語っています。
「稟議アプリのリリース後は現場の要望を聞きながらアジャイル方式で改善を進めました」(代表取締役社長 内田様)
バタフライバルブメーカーの巴バルブ株式会社では、最初のアプリを作り込みすぎて作り直しになった経験からこんな言葉が生まれました。
「最初から完璧なものなんて作れないことを学ぶことができました」(最高戦略責任者 浜田様)
株式会社星野リゾートでは、コロナ禍という緊急事態の中で7割の完成度のままリリースを断行した経験をこう振り返っています。
「やってみないと分からない状態で、かっちり内容を決めてしまうと、結局やり直しが発生してしまいます。とりあえず作って改善していくという試行錯誤をgusuku Customineでできたのは大きかった」(情報システムグループディレクター 久本様)
gusuku Customineはkintoneをノーコードでカスタマイズするツールですが、「とりあえず作って改善していく」という考え方はkintone自体にもそのまま当てはまります。
業種も規模も異なる3社が、同じことを言っています。
「最初から完璧に作ろうとしない」—これは、kintoneを使いこなした人たちが共通して辿り着く考え方なのです。
🤝「使われるアプリ」が、次の改善を生む
最初のアプリが現場で使われはじめると、自然とこんな声が出てきます。
「ここにこの項目も欲しい」「この承認ルート、実際はもう少し複雑なんだよね」「スマホからも入力できたら便利なのに」
これこそが、改善のサイクルの始まりです。
最初から完璧を目指していたら、こうしたリアルなフィードバックは得られません。
現場で実際に使われてはじめて、「本当に必要なこと」が見えてくるのです。
ノーコードツールであるkintoneは、こうした改善サイクルを回しやすい設計になっています。フィードバックをもらったその日に修正できることも珍しくありません。使いながら育てることで、アプリは自然と「現場にフィットしたもの」になっていきます。
kintone SIGNPOSTでも、このサイクルの重要性はコアパターンとして位置づけられており、全ステップを通じて意識すべきこととされています。「素早く繰り返す」ことは、kintoneを使いこなすうえで欠かせない考え方として、多くの経験者が実践していることです。
📝まとめ
kintone導入初期の大切な考え方を整理します。
- 最初から完璧なアプリを作ろうとしない
- 「使われるアプリ」を作ることを最優先にする
- 申請・台帳・チェックリスト系から始めると取り組みやすい
- 運用しながら改良していくことで、本当に使えるアプリになる
kintoneを「最初に完璧に作って、あとは使うだけ」と考えると、その良さが半減してしまいます。
最初の一歩を「完成品を作ること」ではなく「使いはじめること」に置く—この小さな意識の転換が、活用の成否を大きく左右します。

